音楽の”癒し・リラックス効果”と効果を高めるポイントを音楽療法士が解説

 
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こんにちは! 音楽療法士&シンガーソングライター の hikari です。

ストレス社会と呼ばれる現代では、疲れやストレスを溜め込んでしまうことも多く、リラクゼーションや癒しを求めている人々が急増しています。

中には、「原因はよく分からないけれど、何となく体調が優れない…」という方も居られるのではないでしょうか?

私も保育士時代、気づかないうちに疲れが溜まって、心身に不調を来すことがありました。その時に、自分の好きな音楽やヒーリングミュージックを聴いていると、気分が上がって回復が早くなったと感じた経験があります。

 

今回は、音楽が持つ「癒し効果」や「リラックス効果」について、音楽療法士の観点から解説していきます。

この記事を読むと、癒し効果のある曲の選び方癒し効果を高めるポイントおすすめの聴き方積極的に音楽の癒しを得る方法についても知ることができます。

それによって、音楽の癒し効果をさらに高める方法を、日常生活に取り入れることができるようになります。

 

もくじ

音楽の癒し・リラックス効果

音楽の持つ癒し効果は、大きく10種類に分けられます。

① 心地よい音の特徴 「1/fゆらぎ」

② 自律神経を整え、副交感神経を高める

③ 脳波をα波の状態に導くー集中力・免疫力の向上への効果

④ 心を安らかにする「セロトニン」「ドーパミン」の分泌

⑤「エンドルフィン」の分泌によるストレス解消

⑥ 安眠効果

⑦ 胎教への効果

⑧間接的な効果

⑨ モーツァルト効果

⑩ 野菜やお酒が美味しくなる

次の項目から、詳しく解説していきます。

心地よい音の特徴 「1/fゆらぎ」

自然界や人の生体リズムには、「1/fゆらぎ」というゆらぎがあります。例えば、川のせせらぎや虫の鳴き声、人の心臓の鼓動にも1/fゆらぎがあります。そして、お互いの振動が共鳴すると「美しい」と感じ、癒しを感じるのです。

クラシック音楽やヒーリングミュージックには、人が「心地よい」と感じる「1/fゆらぎ」という音のゆらぎが含まれています。このゆらぎは、規則正しいゆらぎと不規則なゆらぎが調和している状態のものです。

このゆらぎは、人間の体の筋肉の緊張を緩和したり、脳波をリラックス状態の「α波」に導くと言われています。

自律神経を整え、副交感神経を高める

自律神経は消化や代謝、呼吸など、生命の維持に関わる様々な働きを支配するものです。

人の脳が「1/fゆらぎ」を感知すると、脳の自律神経が整えられ、リラックス状態の時に使われる「副交感神経」の作用が高められます。

脳波をα波の状態に導くー集中力・免疫力の向上への効果

「1/fゆらぎ」によって脳波がα波の状態になると、ストレス解消や集中力・免疫力の向上などにも効果があると言われています。

心を安らかにする「セロトニン」「ドーパミン」の分泌

好きな音楽やヒーリングミュージックなどの音楽を聴くと、脳の中で「セロトニン」や「ドーパミン」という物質が分泌され、心の安定が図られると科学的にも証明されています。

特に世界で最もリラックス効果があるとされている「無重力」という音楽を聴くと、血圧や脈拍、ストレスホルモン(コルチゾール)を下げてくれる効果があると、科学的に証明されています。

「エンドルフィン」の分泌によるストレス解消

音楽を聴いてリラックスしている時、「自然の鎮痛剤」とも呼ばれる「エンドルフィン」の分泌が脳内で増大します。エンドルフィンは、美味しいものを食べている時や好きな人と話している時に分泌される物質と同じもので、多幸感を感じさせる効果があります。それによってストレスが解消され、前向きな気持ちになりやすくなります。

安眠効果

ヒーリングミュージックやリラックス効果のある音楽は、安眠効果を高めるものが多くあります。夜寝る前や休憩時間などに、静かなベッドルームや休憩室で聴くと良いです。ずっと音楽を流したままにしていると、スマホやオーディオ機器の電力を消耗しますので、音楽が自動で止まる「スリープタイマー機能」などを使う方法もあります。

胎教への効果

胎教の目的は、母体である母親の情緒・精神を安定させることです。妊婦さんが心地よい音楽や1/fゆらぎが含まれた音楽を聴くと、お腹にいる赤ちゃんの感性に良い影響を与えると言われています。

間接的な効果

音楽を聴くことで、昔の記憶や感情が思い起こされ、良い効果が得られることもあります。例えば、お年寄りが青春時代や子供の頃に流行っていた音楽を聴くことで、当時の記憶・感情が蘇り、心が明るくなったり、若々しい心を取り戻したりすることがあります。

モーツァルト効果

「モーツァルトの音楽を聴くと、頭が良くなる」と言われることがあります。これは、バイオリンなどの楽器は高周波数を多く含むため、脳が冴えた状態でリラクゼーションへと導かれるためです。

また、モーツァルトが作った音楽には一定の安定したリズムが刻まれており、そのリズムが聴く人の生体リズム(呼吸や脈拍)と調和して、自律神経のバランスが整えられます。自律神経が整えられると、潜在能力を出しやすくなるとも言われています。仕事や勉強に集中したい時、何かに行き詰まっているときに聴くと、良い効果が得られる可能性があります。

野菜やお酒が美味しくなる

音楽の振動エネルギーをトマトやお酒に与えたところ、甘味の強いトマトや、熟成されたまろやかなアルコールができたという実話もあります。

 

癒し・リラックス効果のある音楽とは

癒し・リラックス効果のある音楽は、大きく8つに分けられます

①自分の好きな音楽

②自分の気持ちと同質の音楽

③スローな曲→元気な曲の順番で音楽を聴く

④ヒーリングミュージック

⑤クラッシック音楽

⑥モーツァルトの音楽

⑦琴や笙で構成される音楽

⑧10代後半〜20代の頃に聴いていた音楽を聴く

次の項目から、詳しく解説していきます。

自分の好きな音楽

人によって、ヒーリングミュージックを聴いてもあまりリラックスできないという人も居ますが、自分の好きな音楽でもα波が出ることがあります。

例えば、リラックスとは対照的なロックやヘヴィメタル等でも、その人にとってリラックスできる好きな音楽であれば、リラックス効果やストレス発散効果が期待できます。

それによって筋肉の緊張が解けたり、皮膚の温度が上昇したりすることが報告されています。

自分の気持ちと同質の音楽

自分の気持ちや感情(怒りや悲しみ)に近い音楽を聴いて、音楽に気持ちを代弁してもらうことも効果的です。これは「同質の原理」と呼ばれます。

スローな曲→元気な曲の順番で音楽を聴く

最初はスローテンポな曲を聴き、気持ちが回復してきたら元気な曲を聞いて行くと、落ち込みから回復しやすくなります。このような方法を取り入れるのも効果的です。

1. 自分の気持ちと同じような曲を聴く

2. 心が落ち着くスローテンポな曲を聴く

3. 少しアップテンポな、前向きになる曲を聴く

ヒーリングミュージック

ヒーリングミュージックは、心理的な安心感を得ることを目的に作られた音楽です。

波の音や鳥のさえずり、虫の鳴き声などを取り入れたものも多く、大自然の音色が心を癒してくれます

他にも、シンセサイザーなどの電子楽器で作られた曲や、「ニューエイジミュージック」と呼ばれる音楽のジャンルもあります。

ヒーリングミュージックについての解説記事はこちら↓

ヒーリングミュージック/ 音楽の効果 ー 現役の音楽療法士が解説

クラッシック音楽

クラッシック音楽は、リラックスとリフレッシュをもたらしたり、人間のやる気を引き出すとも言われています。また、自律神経のバランスを整える効果もあります。

モーツァルトの音楽

モーツァルトの音楽が「癒される」と言われる理由には、フレーズの繰り返しが多いため「1/fゆらぎ」の効果があるためです。

このゆらぎを聴くと脳波がα波の状態になり、ストレス解消や集中力の向上免疫力が向上する効果があると言われています。

琴や笙で構成される音楽

日本に古くから伝わる琴や笙も、人の心をリラックスさせる効果があります。世界最古のオーケストラと言われている「雅楽」には、人の心を安心させ、落ち着かせる効果があります。

10代後半〜20代の頃に聴いていた音楽を聴く

人は青春時代に体験したことは記憶に残りやすく、この年代に繰り返し聴いていた曲や、思い出の曲は、生涯心に残るそうです。懐かしいと感じる曲は、幸せや喜び、満足やリラックス感など、ポジティブな感情を呼び起こしやすいです。

当時お気に入りだった音楽を聴いて、現実のストレスや問題から一時解放されると、気分転換を図ることができます。

 

音楽の癒し・リラックス効果を高めるポイント

音楽の癒し・リラックス効果を高めるポイントには、大きく分けて5つあります。

①自分の好きな音楽、聴いていて心地よい音楽を選ぶ

②音楽を集中して聴く時間を作る

③肩の力を抜いて、何も考えずに聴く

④ヘッドホンや音質の良いオーディオを使用する

⑤音量

これから、それぞれのポイントについて解説していきます。

自分の好きな音楽、聴いていて心地よい音楽を選ぶ

1つ目のポイントは、音楽を選ぶ際に「自分の感覚・感性を大切にする」「自分が好きな音楽を聴き、嫌いな音楽は避ける」ということです。

人によっては、「ヒーリングミュージックには効果がない」と感じたり、苦手意識がある場合もあります。そのような時には、自分が聴いていて心地よい音楽、好きな音楽でも癒し効果を得られることは出来ます。

音楽を集中して聴く時間を作る

2つ目のポイントは、1日の中で30分〜1時間ほど、「音楽だけを聴く時間」を作るということです。

日常生活の中で音楽を聴く時、通勤途中や家事をしながら聴くなど、何かをしながら聴くことが多いのではないでしょうか?

これは、時間を有効的に使うにはとても良いことです。

しかし、「何かをしながら音楽を聴く」というのは、音楽を聴くための ”耳” と、他の何かをするために”手・目・脳”などを複合的に使っている状態です。つまり、全身の感覚をフルで使っている状態なので、体には負担がかかっています。

そのため、「音楽の癒し効果」を高めるには、ゆっくりと落ち着いた状態で「音楽だけを聴く時間を作る」ことが大切です。

肩の力を抜いて、何も考えずに聴く

3つ目のポイントは、音楽を聴くときに「肩の力を抜いて、何も考えずに聴く」ということです。

「音楽の癒しを感じたい」という思いで聴き始めたにも関わらず、頭の中で明日の仕事や嫌な事、苦手な人の事などを考えていると、純粋に音楽の癒しを感じることができません。

肩の力を抜いて何も考えずに音楽を受け入れる環境を作ることが大切です。

ヘッドホンや音質の良いオーディオを使用する

4つ目のポイントは、音楽を聴く際にヘッドホンを使用することです。これは、出来るだけ周囲の音が入らない方が、音楽に集中でき、より癒しの効果を高めることができるからです。

周りがある程度静かな環境であれば、イヤホンやスピーカーでも大丈夫です。

なるべく音質の高いものが良いため、パソコンに内蔵されているスピーカーはあまりお勧めできません。

音量

音が大きすぎるとストレスに感じてしまい、音が小さすぎると音楽の癒し効果が十分に得られない場合があります。

最も癒し・リラックス効果が高まるのは、音量を「40デジベル以下」に抑えることです。

40デジベル・・・図書館の中で聞こえてくる位の音の大きさ

おすすめの聴き方

・仕事や勉強などの休憩時間、心身を休めたい時

・就寝前、なかなか眠れない時

・ストレッチやマッサージをするとき

音楽のリラックス効果によって副交感神経がはたらき、体の緊張が和らいだり効率よく体をほぐしたりすることが出来ます。

 

音楽の「癒し効果」が活用されている場面

主に6つの場面がありますので、ここから詳しく解説していきます。

医療・福祉・教育現場での「音楽療法」

こちらの写真は、私が地域サロンでお年寄りの方を対象に行なった「音楽療法」の様子です。

音楽療法については、こちらの記事で解説しています ↓

音楽療法とその効果とはー現役音楽療法士が分かりやすく解説

 

以下の5つの場面については、こちらの記事で解説しています ↓

ヒーリングミュージック/ 音楽の効果 ー 現役の音楽療法士が解説

オフィスや会社

駅の構内

くつろぎを感じるカフェやサロン

病院の待合室や手術室

スポーツ選手の試合前や、アーティストがステージに上がる前

 

積極的に音楽の癒しを得る方法

ここまでは、「音楽を聴いて癒し・リラックス効果を得る」という受動的な方法についてお伝えしてきました。

この項目では、自ら積極的に癒しを感じたり、ストレスを解消する方法についてお伝えしていきます。

カラオケボックスで好きな曲を歌う

自分の好きな音楽を、自由に思いっきり歌うことも、一種の積極的音楽療法です。

歌うことを通して自分を表現すると、心の中になる思いやフラストレーションを出せるため、自分でも気付かなかった感情や思い、心が傷づいていたこと等に気づけることもあります。

実際に音楽療法の現場では、楽器を使って合奏やセッション、合唱をする等の活動も積極的に取り入れています。

また、歌うことでお腹に力が入り、体温が上昇して血流が良くなると、気分も前向きになりやすくなります

楽器を演奏する

ギターやピアノ、自分の好きな楽器を演奏することも効果的です。気分転換になるだけでなく、1つの物事に集中して取り組むことで、ゾーン状態になり、脳波が α 波へと導かれることもあります。

癒し・リラックス効果には個人差がある

人の外見や内面、好きな音楽がそれぞれ異なるように、音楽から受ける癒し・リラックス効果にも個人差があります。

例えば、人と同じ音楽を聴いたとしても、その音楽への興味・関心や好き嫌いに応じて、受ける印象や湧いてくる感情も異なります。

誰でも同じように効果を得られる曲はありませんので、「自分の感覚・感性を大切にする」「自分が好きな音楽を聴き、嫌いな音楽は避ける」ことが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、以下の項目について解説しました。

音楽の癒し・リラックス効果

②癒し・リラックス効果のある音楽

癒し効果を高めるポイント

④おすすめの聴き方

⑤音楽の「癒し効果」が活用されている場面

⑥積極的に音楽の癒しを得る方法

⑦癒し・リラックス効果には個人差がある

①音楽の癒し・リラックス効果

① 心地よい音の特徴 「1/fゆらぎ」

② 自律神経を整え、副交感神経を高める

③ 脳波をα波の状態に導くー集中力・免疫力の向上への効果

④ 心を安らかにする「セロトニン」「ドーパミン」の分泌

⑤「エンドルフィン」の分泌によるストレス解消

⑥ 安眠効果

⑦ 胎教への効果

⑧間接的な効果

⑨ モーツァルト効果

⑩ 野菜やお酒が美味しくなる

②癒し・リラックス効果のある音楽

・自分の好きな音楽

・自分の気持ちと同質の音楽

・スローな曲→元気な曲の順番で音楽を聴く

・ヒーリングミュージック

・クラッシック音楽

・モーツァルトの音楽

・琴や笙で構成される音楽

・10代後半〜20代の頃に聴いていた音楽を聴く

③癒し効果を高めるポイント

①自分の好きな音楽、聴いていて心地よい音楽を選ぶ

②音楽を集中して聴く時間を作る

③肩の力を抜いて、何も考えずに聴く

④ヘッドホンや音質の良いオーディオを使用する

⑤音量

④おすすめの聴き方

・仕事や勉強などの休憩時間、心身を休めたい時

・就寝前、なかなか眠れない時

・ストレッチやマッサージをするとき

⑤音楽の「癒し効果」が活用されている場面

・医療・福祉・教育現場での「音楽療法」

・オフィスや会社

・駅の構内

・くつろぎを感じるカフェやサロン

・病院の待合室や手術室

・スポーツ選手の試合前や、アーティストがステージに上がる前

⑥積極的に音楽の癒しを得る方法

カラオケボックスなどで好きな曲を歌う

楽器を演奏する

⑦癒し・リラックス効果には個人差がある

 

以上を解説しましました。

音楽の癒しを日常生活に取り入れることで、さらに心豊かな人生を送るきっかけになります。

「どんな曲がいいか迷うな」「歌声の入っている曲の方が温かみを感じる」という方は、私がピアノ演奏から歌唱・動画制作をしているYoutebe動画を視聴してみてください。

優しい音楽と美しい自然が、あなたの心と体を温かく包み込んでくれることと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

hikari